- HARUKO’sテーブル
カッシーナ新ショールームとウルキオラ氏!
3月1日 プレオープンのカッシーナ新ショールームにてアートディレクターのウルキオラ氏が語ってくれました。貴重な機会をある方から託されました。しっかり聞いて、現在お世話になっている方々や周りのコーディネーターに伝えることがミッションでした。その課題を果たすためできるだけ多くのことをお伝えしたいと思いますが、これは非公式なメモ書きによるもので個人的感想であることをご了承くださいませ。
YOKO
ハルさん!今、世界トップクラスの女性デザイナー・ウルキオラ氏ですよね。
HARU
本当に、ドキドキしました!
カッシーナのアートディレクターを務めるパトリシア・ウルキオラ氏(スペイン出身)が、アートディレクターを務めることになる経緯や、商品開発のコンセプト、プロジェクトについて自ら語ってくれました。彼女は、多くの巨匠の元で建築やデザインを学んできたんですって。カステリオーニには「デザインするものの愛」を育まれたそうです。また、マジストレッティは先生でもあり、デパドヴァ社時代は上司でもあったそうです。その時代、彼は毎週2回ほどカッシーナに新商品開発のために通っていて、それを間近で見て、いろいろなことを感じていたことが、彼女がアートディレクターを引き受ける心の引き金になったみたい。
YOKO
巨匠ばかりですね。確か、カッシーナは創立90年の節目を迎えるんですよね。この90年の間に代表的な名作が多く生み出されてきていますよね。
HARU
そう。この間に社会も変わった・・・なので未来を見つめていきたい、歴史的なアーカイブと新しいデザイナーの発掘に取り組みたいといったようなことをおっしゃってました。私たちはそんな新と旧のコラボレーションも楽しめるわけです。
でも、そんなウルキオラ氏にも就任決定時には厳しい言葉が聞こえたそうよ。「カッシーナのレガシーを女性が継承できるのか?」・・・今までは男性だったのにということみたい。
YOKO
そんなことがあったんですね。
HARU
びっくりよね。でも対応が素晴らしいの。それに対する答えを彼女は新商品で示そうと取り組んだそうです。ジェンダーという挑発的な名前のチェアー。(写真上)張り地の組み合わせなどにより男性的にも女性的にも見えるといいます。What’s your Gender? と問いてあったよ。
YOKO
なるほど。見る人によって色々な見え方が楽しめそうですね。
HARU
もう一つの新作。ビーム。(写真下)梁のビームから名付けたんですって。日本の精神を映し出しているねと言われるそうよ。私はこれを昨年のサローネで見ているけど、そこを感じ取れなかったのは未熟さゆえだね。梁の上に柔らかいシートクッションが載っている、そこが日本的なんだって。ヨーコはどう感じる?
YOKO
う〜ん。デザインのエピソードを聞いてから見ると、違った視点で見れますよね。
HARU
そして彼女が手がけた多くのプロジェクトの紹介がありました。その中からネットで私が検索できたホテルを紹介します。(パワポで映し出された写真は不明瞭ですので)
五つ星の新ブティックホテル「イルセレーノ・レーク・コモ(写真:Il Sereno Lake Comoホームページより)」は、高級ホテル「ルセレーノ・サンバース(Le Sereno Saint Barths)」の姉妹ホテルにあたるそうです。コモ湖畔はイタリア家具メーカーのメッカでもあり屈指のリゾート地としても有名。私も昨年サローネの合間に1日滞在しました。ヨーコも今年はサローネに行くんだよね?
YOKO
そうなんです。今から楽しみです!
HARU
今年はカッシーナはサローネ会場内ではないところでやるようなことを小耳に挟みました。
写真下はルーム メイト ジュリア (写真:Room Mate Giuliaホームページより) というミラノの中心にあるホテル。サローネの頃で検索したけどすでに空室なし。やっぱりね。でも、ロビーやレストランなら利用できるかもね。
HARU
約1時間のトークはあっという間に思えたけれど充分堪能できました。その後はショールーム見学へ。ショールームはより豊かな暮らしの具現化を感じさせる設いにしたとのこと。2階にはコンシェルジュカウンターや、コーディネートルームのほか、ラウンジも作られていて。個人的な感想だけど以前より余計なものがそぎ落とされ、広々とした中に絶妙な色合わせで心地よいエリア感を出しているように思います。「ラグジュアリーさ」のアピールは薄く、どこを切り取っても住空間にできそうな感じでした。リラックスのためのアロマやルームウエアのコーナーも夢物語ではないリアルな上質を感じられました。
YOKO
次に東京に行ったら立ち寄ってみたいですね。
素敵な照明も写真の中に見受けられますね。
HARU
私のお気に入りはこの水晶のシャンデリア!(写真下)なんと、一つづつマグネットで留まっているんだよ。
YOKO
そうなんですね。マグネットで留まっているという見えない危うさが、何だか魅力的な気がします。
HARU
癒される輝きだよね。そして、何より嬉しいのはアートの充実。コルビジェのアート「直線の詩」シリーズなどが集まるスペースは、小さな展覧会のよう。3階でもミロやピカソの作品がまるで住宅の一室のような空間で鑑賞できるの。もちろんお求めやすそうなアートもたくさんありました。例えば、お客様が気に入ったアートに合わせてチェアのテキスタイルを選ぶなんてシーンは・・・想像しただけで夢のように贅沢だよね(・・・うっとり・・・)
YOKO
ソファの後ろに置かれたアートに合わせて、クッションのファブリックやトリムを選ぶというのも楽しそうですね。
HARU
イメージがどんどんと広がるよね。
翌日にはキッチンのジーマティックのショールームも見に行きました。カッシーナから本当に近いし、ゆったりとした展示になってましたよ。
カッシーナのお土産は分厚いドアのモチーフのチョコレート(ミラノのT’ a MILANO製) と、そのドアを開ける鍵のキーホルダー。「あなたがまだ開けたことのない、その扉を開こう。あなたの次の物語が始まる、その扉を開こう。」・・・そんなメッセージがDMにも記されていました。
YOKO
深いメッセージですね。
HARU
そう。そのドアをこじ開けるかのように、早速かじりついてみました。全部食べ終わったらドアの向こうに行ける気がします!(笑)
YOKO
きっと!(笑)
※今回のブログはウルキオラ氏の語りを通訳の方が訳して下さり、それを書き留めたものを元に語ってます。詳細に誤りなどがある可能性を皆様にはご承知おきいただきたいと思います。